一瞬先の未来のために

日常に帰るまでが映画です

GODZILLA 怪獣惑星 (2017)

std::cout << 地球にこだわることは甘くないビーム << std::endl;

Introduction

人類の畏怖の象徴であるゴジラ。人類の驕りを圧倒的な熱線によって吹き飛ばす。
それはシン・ゴジラでも変わらず継承され、東京が焼かれた。
宇宙があるから地球があって、地球があるから人類がいるんだから、すべての中心に人類がいるなんて、 いやもっと言えば自分が世界の中心だなんて、そんな考えをゴジラは容易く吹き飛ばす。
アニメGODZILLAは、このゴジラの存在をどのように「観せる」のか。

Cast and Crew

虚淵ゴジラ虚淵氏と言えば、私が知っているのは、まどマギサイコパス、楽園追放。
小説家とかシナリオライターとかの持つ一般的なイメージよりも、エンターテイナーというイメージが近い。それも、楽しませたいという気持ちよりも、自分が楽しむという気持ちを優先するタイプという印象がある。そして、退屈・平素・普遍というものから遠ざかり、世界はひっくり返すためにあるんだと言わんばかりの構成をする。だから、飽きないことは保証されているし、それなりの覚悟を持って観るのだが、いかんせん考える暇を与えてくれない。
声優陣は、企画の成功を確信したように豪華だ。詳しくない私ですらほとんど知っている(ちゃんと声優業の有名人)。

Plot Summary

地球は、人類のものではなくなった。否、最初からそうではなかった。
突如現れた怪獣によって、人類のために最適化された地球は荒廃する。しかし、その関係すら崩壊させる、人間も怪獣も問わず破壊する唯一個体「GODZILLA」によって、ついに人類ひいては他惑星出身の人型種族は地球を棄てざるを得なくなった。
生存した5000人は、移住先を求めて航行する。船内での経過時間は22年、地球時間で10000年と推定されていた。
移民船はやがて目標惑星に到着するが、明らかに人類の生存は困難であった。ハルオはその選択が不可能であるのにも関わらず、一部の人類をそこへ残すという委員会の判断に怒り、違法行為によって投獄される。
ハルオが移民船に乗ったのは4歳のときで、ゴジラによって家族を失い、ゴジラから地球を取り戻すことに強く執着していた。彼は、ゴジラを倒して地球を取り戻す算段を、独学の研究によって確立していた。研究資料を共有サーバーに公開し、地球へ帰還するプランが実行されることを誰よりも望んでいた。

食事や水が枯渇していく中、委員会は遂に地球へ帰還するプランを検討する。帰還の目的はあくまで資源の回収であったが、ハルオは待ちに待ったその時を迎え、決意する。
ゴジラは倒せる。勝てなかったのは逃げたから、諦めたから。ゴジラを倒し、地球を奪還する。

Review

端的に言うと、好きになれない作品。
これがシリーズ物の第1部だということを差し置いても、誰かにおすすめしようは思えなかった。
映像は綺麗で、声優も素晴らしく、ストーリーも悪くないのだが、虚淵氏がこのゴジラで何をしたかったのかが読み取れないのだ。
ゴジラの圧倒的パワーや、人類が太刀打ちできそうにない絶望は間違いなく示されていて、This is GODZILLAということは胸を張って言える。
しかし、ハルオが地球に誰よりも固執し、手段を選ばずに特攻するほどの背景が見えない。仲間の犠牲を覚悟することも後悔することもなく、目の前のゴジラを倒すことだけに執着できるほどの気持ちはどこにあるのだろう。結局最後までその疑問は晴れなかった。虚淵氏の策略なのか。だとすると2部、3部と観なければならないが、気が進まない。
それと、CGの制約かもしれないが、表情のバリエーションが少ない。誰一人印象的な表情をせず、ハルオでさえも心のどこかで諦めているのではないかと思ってしまう。たまに入る地球環境の変化の描写や、ゴジラ成分の飛翔生物も、物語に入り込んでこない。正に、ゴジラのシールド分布グラフにあった「隙間」のように、物語から浮いている印象がある。

作品である以上、(その道の人間でもないので)否定的に捉えることは控えようと思ってはいるが、ここまで納得できないのは久しい。
だからこれは2部、3部をもって改めて評価すべきで、これ以上のことは言えない。
もし来たる2部、3部でこの疑念が晴れたら、再度謝りながら感想を書きたいと思う。人気シリーズに肖った、二足歩行型巨大商業生物となりませんように。